





◎きちんとしたお手入れと保管方法で、長くお使い下さい
御念珠は年に数回、大切な時に使われるものです。折角御仕立をしたあなただけの御念珠ですから、大切にして長くご愛用ください。
1:ご利用後のお手入れ
・乾拭き
ご使用になった御念珠の石には、意外に多くの物を付着させています。汗や皮脂、ホコリにハンドソープなどの洗剤、更に女性の方はお化粧品等が、石の表面に付着する可能性があるのです。
柔らかな清潔な布で乾拭きをして、付着したものを拭っておきましょう。
※専用のものは必要ありませんが、ガーゼなどの柔らかなものを利用し傷を付けないように注意しましょう。勿論貴金属用の専用クロスを利用するのもお勧めです。
・乾燥
ご使用になった御念珠は、汗や湿気を房に含んだ状態です。そのまま仕舞ってしまうとカビや変色の原因になります。風通しの良い室内でしっかり乾燥させましょう。この時直射日光が当たるような場所は避けて下さい。色やけの原因となります。房を下に向けて半日程乾燥させるようにしましょう。
2:保管
・収納
仕舞っておくには、付属の桐箱に房が折れたり、曲がったりしないように伸ばして収納し、箪笥の中などに仕舞いましょう。桐箱は余分な湿気を吸収してくれる働きも有るので、保管には最適です。
※房巻き・・・御念珠入れに入れて携えたり、桐箱に収納したりする際に、柔らかな布や和紙などで房を巻いておくと、いざと言う時に慌てずに済みます。房巻きは一つずつ巻く必要は有りません。下図のように二つの房をまとめて巻けば大丈夫です。

★御念珠の保管トラブル
・房が傷む
男性の方に多いのは、ハンカチ等に包んで礼服のポケットに入れておくケースです。折れたりカビが発生したりする原因のトップ。女性に多いトラブルは変色です。これは乾拭きを怠ると、化粧品の成分が房に触れて色が変わってしまう為のようです。
・カビ
言わずと知れた湿気から出るトラブルです。乾燥が足りないと発生する厄介者です。たんぱく質などに発生するのは、黒いカビで染みの原因です。
女性の場合、冬場の保湿クリームを使用した手で、ご葬儀などで使用された場合は、乾拭きと乾燥をセットできちんとお手入れして下さい。
・糸切れ
この原因は複数あります。御念珠の糸は正絹ですから経年劣化も有りますし、乾燥が足りないと俗に“糸ふけ”と呼ばれる、糸の劣化が加速し突然切れてしまう事があります。当然強く引っ張れば切れるのですが、中には小さなお子様を抱っこしていて足を引っ掛けられたと言う話もあります。
・行方不明?
「確かここに入れておいた・・・はず」などと言いながら慌てた、そんなご経験がある方もいるのではないでしょうか?これも立派なトラブルです。御念珠、御袱紗、男性なら黒のネクタイ、女性ならブラックコサージュや手袋、これらをきちんと決まった場所にまとめておくことが大切です。
★お直し
行方不明だけは直せませんが、御念珠の有償修理は可能です。
・房の交換
・糸の交換
弊社でお求め頂いた物は勿論、他社でお求めになった物も修理を承ります。上記2種のお直しは比較的短時間で対応が可能です。更に
・石の補てん修理
という物があります。糸が切れた際に石がどこかに飛んでしまい、数が足りなくなってしまったものも、御時間を頂ければ修理が可能なことが有ります。同じタイプの石をお探しし補てんをした上で、糸を繋ぎ直します。
※石の種類によっては入手困難なものも有るので、一旦お預かりの上で御見積致します。
★御念珠の修理には修理費、送料負担などが掛りますので、決してお安くは有りません。しかしご家族の形見等の大切なもの、高価なものならばきちんとした修理を施し、長くお使い頂く価値があります。もしご家庭でそのようなものがありましたらご相談下さい。
【ご注意】
使用している石が天然石である必要があります。樹脂やガラスは天然石と違い、メーカーやカットが異なる物が無数にある為、対応出来かねます。